早弾きコゾフぅ〜?信じられないでしょうかね。オフィシャル盤ならデビュー作の「TONS OF SOBS」でその姿は垣間見られるはずです。あのレコーディングは彼の2度目のスタジオセッション。殆んどが一発録りのインプロヴィゼイションです。と言いながら、「Walk
In My Shadow」のイントロではフィードバックを重ねてハーモニーにするアイディアも見せていますね。それに「Going Down Slow」などでハッと目が覚めるような早弾きを随所で見せています。
かな響きに聞こえるポジショニングなど、実に深く「コードの響き」を考えていたのです。大ヒット曲「All
Right Now」のあの有名なイントロ。ビデオをお持ちの方はよぉ〜くご覧ください。彼の左小指が6弦5フレットを押さえているのが判りますか?フッフッフ・・・。彼は個々の弦の、ポジション違いによる響きの違いなんかも考えてコードを押さえていたのです。
み合わせに取り組み、FREE一時解散後に出した「KOSSOFF
KIRKE TETSU & RABITT」でその成果が現れます。ストラトキャスターとレズリーを組み合わせたそのサウンドは、バッキングではジミヘンスタイルのコードバッキングと「波打つような揺れ感」で広がりを出し、ソロでは深く歪ませた、呻くようなリードトーンがうねりながら天空を駈け上っていくようなイメージを聴く者に抱かせます。特にロジャースがそのアプローチを好み、「Wishing
Well」と「Come Together In The Morning」のプレイをコゾフのベストプレイであり、FREEの楽曲の中で最も好きな忘れられない曲としています。ただ、ステージではレズリーの出力不足からか(60W程度しかない)、ステージでは一貫してマーシャル100Wを使用、後には珍しくレズリーの代わりにフェイズシフターを使用していました。
第五点・・・リズムアプローチです。FREE解散後リリースされた彼のソロアルバムと、その後発表された彼のソロバンドBACK
STREET CRAWLERでは、折りしも流行の兆しを見せていた、ソウルジャズだとかクロスオーバーだとか言われる16ビートのファンキーなリズムアプローチが耳を引きます。ソロ作では元アヴェレージホワイトバンドの鍵盤奏者ジーン・ラッセルが参加し、少々ジャジーなタッチのコード進行にタイトで細かいリズムを持つ曲を提供、また、ソロバンドでも同様でした。このリズムに、大きな8ビートのノリのギターワークを乗せる、それがコゾフの晩年試みていたアプローチです。バンドのデビュー作「BAND
PLAYS ON」の1曲目「Who Do Woman」や遺作となった「Second Street」の「Stop Doing What You're
Doing」などで形にしていますが、中途で死の時を迎えてしまいます。