1968年から1973年まで活動したイギリスのロックグループFREEの曲とサウンドを現代のロックファンに紹介することです。形骸的なコピーバンドとしてではなく、FREEの曲を演奏することを通して、ロックがまだ商品ではなく、普遍的な人間の感情表現としての手段であった時代の熱気や、音楽に込められた魂を少しでも伝えていきたいと考えています。
一般にFREEというと「若いのに渋くてヘタウマなバンド」、「愛すべきB級バンド」という認識ですが、決してそれはFREEの真の姿を伝えてはいません。スタジオにおいては独創的なアイディアと閃きに導かれたその音楽性は幅広く、ライブでは凶暴な面とある種の狂気を孕んだ極度の緊張感をも表していました。そのサウンドは、時として物悲しく、時として血生臭く、人間の心そのものとも思えます。饒舌を尽くすほど、モノの本質が見えなくなっていく・・・以前FREEのメンバーが語っていましたが、「少ない音数で、どれだけ多くを語るか」がFREEサウンドの根底にありました。
シンプルなFREEのサウンドには「物事の本質」すら隠れているようにも思えます。ここ数年、未発表音源の発掘や公式盤のリマスタリングが進み、FREEの真の姿が次第に公開されてきました。やっと時代が巡って来たようです。最近は60/70年代リバイバルブームのようなものがあります。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、クリーム、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル・・・そうした知名度も含めた超A級アーティストだけで「ロック」を語ることは出来ません。少しずつでもそのギャップを埋め、ピュアな音楽がもっともっとたくさんあったことを知らしめ、多くのロックファンに本物に触れる機会の橋渡しをしたい、それがこのTONS
OF SOBSの根幹です。
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